現在、禁煙外来は休止しています。

この記事を書いた人

いのまたクリニック 院長 猪又雅彦

日本内科学会 日本循環器学会
日本心臓病学会 日本睡眠学会

【関わる全ての人を笑顔にすることが私たちの使命です。】

なぜ禁煙をするべきか?

禁煙すべき理由の一つは、喫煙が健康と命を脅かすことです。 喫煙は25余りの致命的な病気と結びつけられています。例えば、

心臓発作、脳卒中、慢性気管支炎、肺気腫、種々のがん、特に肺がん

のおもな原因となっています。もちろん、幾年も喫煙した後に初めて、これらの病気のどれかにかかる人もいます。一方、たばこを吸えば一段と魅力的になれるというわけでもありません。広告に登場する喫煙者は魅惑的かつ健康的に見えます。

しかし、現実はそうではありません。たばこを吸うと、息は臭くなり、歯と指は黄褐色に染まります。
男性の場合はインポテンツになりかねません。せきや息切れも起きます。また、若くして顔にしわが寄ったり、他の皮膚障害を抱えたりしやすくなります。

禁煙がもたらす良い点

禁煙すると、良いことばかり起こります。
最後の1本を吸い終わってから20分以内に、血圧は下がり、正常値になります。
1週間経つと、体からニコチンが消えます。1か月経つと、せき、鼻詰まり、疲労、息切れなどが減り始めます。5年経つと、肺がんで死ぬ確率は半減します。
15年経つと、冠状動脈性心疾患になる確率は、たばこを一度も吸ったことのない人と同じくらいにまで下がります。

それ以外にも・・・
食べ物がもっとおいしくなります。息や体や衣服の嫌なにおいが消えます。
わざわざたばこを買うことがないので、たばこ代もかかりません。達成感が得られます。
子どもがいるなら、親のあなたが模範を示せば、子どもが喫煙者になる可能性は低くなります。子供への副流煙の心配もありません。家族全員の健康に貢献できます。
喫煙者のあなたは、自分と家族の健康状態が改善され、もっと長生きできるでしょう。

「禁煙しよう」と決めて、なかなか続かなかった経験はありませんか?

ニコチンには麻薬ほどの依存性があります。そのため禁煙時のイライラなどのニコチン切れ症状を自分だけで乗り越えるのは困難です。タバコを「やめたいけれど、やめられない」方に対して、飲む禁煙治療薬(チャンピックス)や貼り付けるだけのニコチンパッチ(ニコチネル)を処方することにより、あなたの禁煙をお手伝いいたします。

当院では、より成功率の高い内服薬を推奨しています。
以前は、禁煙治療は全額自費でしたが、平成18年6月から健康保険の適用となりました。
ただし、適用されるのは施設基準に適合する届出医療機関のみです。
当院は施設基準に適合する届出医療機関ですので、医師のアドバイスを受けながら禁煙することができます。

診療内容

ニコチン依存症に係るスクリーニングテスト(問診)、現在の喫煙状況や禁煙の方法についてご説明し、禁煙の目標や禁煙日を決めるなど具体的な方針を立てます。 その後、呼気一酸化炭素濃度の測定(左写真)、禁煙治療薬・禁煙補助薬の処方を行い、禁煙の成功を応援します。

初診

スクリーニングテスト、禁煙指導、呼気一酸化炭素濃度の測定、 お薬の処方(約20~30分程度)

その後の通院

簡単な問診と呼気一酸化炭素濃度の測定、お薬の処方(約10~15分程度)

治療薬について

禁煙治療薬チャンピックス錠による治療は、約3ヶ月の間に5回の通院が必要です。
チャンピックス錠には、ニコチンはまったく含まれておらず、これまでの禁煙補助薬とは異なります。 チャンピックス錠は、タバコを吸いたいという気持ちを抑えたり、禁煙によるニコチン切れの症状を軽くします。また、チャンピックス錠を服用中に喫煙すると、タバコを吸ってもまずく感じられます。
禁煙開始予定の1週間前からお薬を飲んで、徐々にタバコの本数を減らしていくため、取り組みやすいと言われる方が多く、禁煙成功率も高い方法です。

治療費

保険適応で自己負担額3割の場合

飲み薬のチャンピックスでは約20,000円(5回通院の総額)となります。

※診察+処方で上記金額になります。 ※追加診療、合併症の診察、検査などがあると変動します。

ただし、次の場合は、自費診療となりますのでご注意ください。

⑴禁煙治療の条件に当てはまらないが、同様の治療を希望される場合。 ⑵5回の治療を越えて引き続き治療を希望される場合。 ⑶初回の治療から1年以内に、再度初回からの治療を希望される場合。

保険診療が可能な方は下記の条件をすべて満たす必要がありますので、あらかじめご確認ください。
  1. ニコチン依存症に係るスクリーニングテスト(TDS)で5点以上の方
  2. ブリンクマン指数が200以上の方 ※35歳未満の方にはこの条件は不要となります。
  3. 直ちに禁煙することを希望されている方
  4. 禁煙治療について文書で同意されている方

具体的な禁煙治療の流れ

初回の診療

1

まずはお電話をお願いいたします

  • 保険適応で禁煙治療が可能かどうか確認をさせていただきます。

2

お電話で下記について質問させていただきます。

  • ご年齢
  • タバコを1日何本、何年間続けていらっしゃるか?(35歳以上の方)
  • 今までに禁煙を試みたがうまくいかなく、そこから1年以上期間があるか?
  • こちらの内容について伺います

3

保険適応の確認が取れましたら、ご予約をお取りします。

4

ご予約日になりましたら、当院へお越しください。 その際、下記についてお持ちください。

  • 保険証
  • お薬手帳

5

呼気一酸化炭素濃度測定

  • タバコの成分に含まれる一酸化炭素の濃度を簡易検査機で測定します (大きく息を吹き込むだけの検査なので、1分ほどで終了)

6

カウンセリング

  • 禁煙開始日の設定

7

身長・体重・血圧の測定をします

8

治療の流れをご案内いたします

  • 合計12週間で5回来院いただきます(初回・2週・4週・8週・12週後の合計5回の診察となります)

9

最後に不安なことや気になることを全て教えてください

  • 禁煙が成功するように一緒に頑張りましょう

2~5回目以降の診療

1

吸気一酸化炭素濃度の測定

2

体重・血圧の測定

3

離脱症状・内服による副作用(吐き気・頭痛・便秘・お腹の張り・不眠など)の確認

4

様々な問題について話し合い、必要ならば症状の改善のために、 薬を処方することもあります。

禁煙外来でよくある質問

治療にかかる費用
5回の受診と内服薬の合計が約20,000円(実費では66,000円程度)です。
※初診や再診などの診察費が通院時ごとに異なりますので、治療費総額が約20,000円とご認識ください。
禁煙に何度も失敗している
2回目、3回目の試みで成功する方もたくさんいらっしゃいます。やめようという決意が大事です。
※効果を保証するものではありません。個人差があります。
体重増加が心配
2~4㎏増加する人が多いですが、体重増加のデメリットよりも喫煙のデメリットの方がはるかに大きいです。
ニコチンの離脱症状が心配
離脱症状の出現は、禁煙開始から2~3日後です。
また、この処方薬は離脱症状を抑えるため、自分だけで禁煙するよりも禁煙のつらさを抑えることができます。
いまさら禁煙しても遅いのではないか?
遅すぎるということはなく、禁煙開始から少しずつ健康上のメリットが表れてきます。