花粉症
花粉症
花粉症の治療は、耳鼻科だけでなく内科でも行っております。
鼻水やくしゃみなど、つらい症状を抑えるためのお薬はもちろんのこと、点眼薬・点鼻薬の処方も行っています。眠気の起こりにくいお薬の処方や、 漢方薬での治療も可能です。
また、当院では治癒も期待できる治療法である、「舌下免疫療法」も行っております。
生活スタイルやご希望に合わせて、あなたにあったお薬を処方いたしますので、お気軽にご相談ください。
花粉症はアレルギーの一種です。
人によっては、アトピー性皮膚炎、ぜん息などほかのアレルギー疾患も一緒に発症することもあります。
また、スギ花粉の他にもさまざまな花粉があり、人によって発症する時期や症状が違います。
アレルギーの正確な原因を探るため、ご希望の患者さんには採血でのアレルギー検査もできますので、お気軽にご相談ください。また、調べられる項目は限られますが、血液を取ることが難しいお子さんでも受けやすく、当日20分で判定できる検査も可能です。
スギ花粉の飛散時期は、インフルエンザの流行時期と重なります。
インフルエンザ以外に、寒い時期なのでいわゆる感冒=風邪にもかかりやすいので注意が必要です。
花粉症の治療
基本的には、症状が出る時期のみ、症状を抑えるためのお薬を飲みます。
ただし、「花粉症」とすでに診断されている方は、花粉が飛び散る時期より少し前からお薬を服用することで、つらい症状が抑えられます。
内服薬については数多くの薬剤が発売されていますので、症状の種類、程度によって使い分けをしています。
1日1回なのか、2回なのか、眠気の副作用が出やすいものなのか、などによっても異なります。
内服薬(場合によっては2種類の薬の併用もあります)と点鼻薬、点眼薬を組み合わせて処方することもあります。
生活スタイルやご希望に合わせて、どんなお薬を使っていくか、相談しながら、一緒に決めていきましょう。
また、花粉症に有効な漢方薬を組み合わせる治療や、スギ花粉を根本的に治療する「舌下免疫療法」も行っています。
20分で結果がわかるアレルギー検査
当院では、約20分で結果がわかるアレルギー検査「イムノキャップラピッド」を導入しています。
アレルギー性結膜炎、花粉症(アレルギー性鼻炎)の主な原因となる8項目のアレルゲンに対する反応がわかる検査です。スギ、カモガヤ、ブタクサ、ヨモギといった花粉に加えて、ダニ、イヌ、ネコ、ゴキブリの8種類が同時にわかります。
早い
検査結果が20分で出ます。
安い
一般的なアレルギー検査より安く、健康保険も適応されますので3割負担の方で約3,300円です。検査料のみの費用になりますので、診察の内容によって診察料は変わります。名古屋市の中学生以下のお子様は、こども医療費助成制度の対象ですので、窓口負担なしで受けることができます。
安全
指先から少しだけ採血するだけなので、小さなお子様でも、安心して検査を受けていただくことができます。


こんな人にオススメです。
• 今日結果を知りたい方
• 忙しくて再来院が難しい方
• 注射が苦手な方
• 就学前のお子様
• 今まで一度もアレルギー検査を受けたことのない方
• 自分が何のアレルギーがあるか知りたい方
デメリット
・数値での評価ができず、強陽性 陽性 陰性の三段階の評価となること
・アレルゲンが決められた8つ(スギ、カモガヤ、ブタクサ、ヨモギ、ヤケヒョウダニ、ゴキブリ、ネコ、イヌ)しか調べられないこと
・食物のアレルギーを調べることができないこと
舌下免疫療法の紹介
舌下免疫療法とは、人間の体で起こるアレルギー症状の原因であるアレルゲンに体を慣れさせ、鼻水・くしゃみ・かゆみといった不快なアレルギー症状を解消する治療法です。アレルギーの発生の原因は、体内に入った多量のアレルギー発生物質を外敵とみなし、過剰な免疫反応が発生することで発生します。舌下免疫療法は、発生するアレルゲンを人体に無害に近いほど希釈した薬を使用します。体に慣れさせることで、アレルギー反応を引き起こさない体質にゆっくりと変えていく治療法です。
この治療法の大きな特徴は、アレルギー症状を発生させる免疫の働きを抑えるのではなく、アレルギーが発生しない体質に変えるということです。アレルギー薬の内服時の副作用が楽になったり、人によっては内服そのものがなくなる人もいます(すべての方ではありません)。そのため、アレルギー薬の副作用である眠気やだるさといった症状に悩んでいる人にもおすすめの治療法です
舌下免疫療法のメリット、デメリット
(当院ではスギ、ダニに対する錠剤での治療とします。)
メリット | デメリット | |
---|---|---|
通常の内服治療 | 効果の発現が早い | 効果の持続が短い |
舌下免疫療法 | 効果が持続する | 効果の発現は遅い |
どうやって治療するのか?
(対象年齢やおすすめの人たち)

対象者:舌下免疫の希望者
アレルギーが血液検査で証明されていること(スギもしくはダニに限ります)
対象年齢:5歳以降(唾を1分間程度のみこまずにいられること)
※通常の保険適用の治療です。
(名古屋市在住であれば中学生までのお子さんの窓口負担はありません)
おすすめの方:妊娠を希望する方(妊娠初期には通常の内服ができないため)
小・中・高校生などの受験勉強を控えている人
通常のアレルギー薬服用で眠気やだるさといった症状がある人
当院での治療方法(初回より)
- アレルギーの検査がまだの方は、通常の採血検査(結果が判明するのに1週間程度頂きます)か、もしくは20分でその場でわかる検査(イムノキャップラピッド®︎)を行います。
- イムノキャップラピッド®︎の場合→当日20分待っていただくと、指からの採血だけで、その方のアレルギー原因物質が判明するため、当日からの治療が開始可能です。
ですが、その後の診察・説明・観察にて、内服後30分間は当院でお待ちいただく必要があるため、おおよそ窓口にいらっしゃってから、1時間程度のお時間を頂戴いたします。そのため、午前の診察でしたら12時まで、午後の診察でしたら18時までにご来院をお願いいたします。 - 舌下免疫治療薬は、当初一週間分を処方します。院外薬局(当院ビル二階)ですが、初回は院内で30分経過を見るため薬を院内に届けてもらい、実際に薬を内服したのち院内にてしばらく待機してもらい、服薬方法の説明を行います。問題なければこの日の診療は終了です。翌日からは自宅で続けていただきます。
最初は一週間後に再診とします。
以後は二週間〜四週間に一度通院してもらいながら、治療を継続していきます。
いつから初めて、一年後のどのような経過が見込めるのか?

治療開始は、花粉症(季節性のアレルギー)の場合は、ヒノキ花粉が終わった時期6月~12月の間に開始します。舌下免疫療法はアレルゲンがない状態の体に、アレルゲンを免疫細胞に徐々に慣らすことが目的です。そのため、なるべく多くの花粉が飛んでいない時期から始めます。ダニの症状の場合は一年中症状があるため、いつからでも治療が開始できます。ですが、現状のアレルギー症状の程度を考慮するなどして、医師が治療を開始する時期を決定します。
初期一週間舌下免疫療法の薬を服用して、大きな問題がなければ、2~4週間分が処方されます。
内服方法は、一日のうちいつでも良いので一回、薬を舌の下に入れて体に慣れさせるようにします。1分以上保持したら飲みこむことを繰り返すのがこの治療法です。飲み物を飲んで口の中に水分が多い状態や食事中以外であれば時間関係なく、行うことができます。おすすめなのは、リラックスしている時間に服用することです。ただし、舌下免疫療法の薬を飲み込んで1~2時間後に運動をすると、アレルギーの症状が出るケースがあるため、内服の前後の運動は避けてください。
花粉症含めたアレルギーの症状は、体の免疫がアレルゲンに多くさらされた環境が長期間続いたことで、免疫反応が暴走した結果起こります。そのため、体に、「アレルゲンは敵では無い」とゆっくり教える必要があるため、時間が長期間に渡ります。
一年ほどこの治療を続けると、舌下免疫療法を行う以前よりもアレルギー症状の軽減を見込むことができます。例えば、くしゃみ、鼻水の症状の軽減、アレルギー薬を服用しても弱い薬のみで済むなど、前年に比べてはるかに快適になったという声が多く聞かれます。
体験談Aさん
1時間で15回ぐらい鼻をかむような鼻水とくしゃみに悩み、病院で抗アレルギー薬を処方されていました。花粉症が終わった後、6月から治療を初めて、翌年の花粉シーズンでピークの時でも、点鼻薬程度の症状まで緩和まで進みました。
2年目の場合は、ピークシーズンマスクのみで平気なまでになり、鼻づまりによる不快症状は無くなりました。
妊娠を考えている、受験生はもちろんおすすめですが、特に、アレルギー症状がひどくて薬を服用して、眠気やだるさと言った副作用がある人も舌下免疫療法は大きなメリットがあります。
どれくらいの期間の内服すると効果が出始めるのか?

舌下免疫療法による治療で、症状がしっかり改善されるまで必要な期間は2~3年です。
2~3年かかるということで、治療期間に抵抗感がある方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、舌下免疫療法は、体質を改善して薬剤の使用を減らしたり、人によっては内服しなくてもいいといった快適な生活ができるようになる可能性をもった新しい治療法です。
ただし残念ながら、2割程度の方は、症状の改善すら見られない方もいらっしゃるのが現状であり、すべての方ではないということをご理解いただきますようよろしくお願いいたします。